発狂した宇宙人

書き溜めた短編(S&S)をビヨンドで動画化のご紹介、短編(テキスト版)の掲載その他雑記などのブログです

世界珍事件スペシャル

f:id:Space2020:20201025170756j:plain

 

  • 空飛ぶ○○○

 

 何かが人々の前を浮遊しながら通り過ぎた…  異様なものだ。

 

 どこかで見たことがある。すぐに通報が入って警察が出てきた。

 

 パトカーがそれを追いかけると、それの正体が分かった。

 

 入れ歯だ。それも総入れ歯。

 

 大通りを入れ歯が飛んで行く。 総入れ歯が空中浮遊しているのだ。

 

 人々が仰天して大騒ぎになった。 大事件か!

 

 驚きのあまり、腰を抜かす者が出た。

 

 そしたら入れ歯がしゃべった。

 

「いやあ、驚かせて、すまん、すまん。実はわしは透明人間なのじゃが、透明薬を飲む時に入れ歯を外すのを忘れておったんじゃ。すまんのう。最近、物忘れが酷くて……」

 

 

 

 

 

  • 透明薬

 

 老博士は長年の苦労の末、ついに透明薬を発明した。

 

 これを飲めば誰でも透明になれるのだ。

 

 老博士は公衆の面前でその透明薬の効果を証明しようと思った。

 

 そして助手にこう言った。

 

「さあ君 透明薬の実験だ。私が透明になってみるから薬をとってくれたまえ」

 

 助手が困った顔をして言った。

 

「博士、すいません。透明薬を入れた容器が透明になって、どこにあるのかわかりません」

 

 

 

 

 

 

「ついに書けたぞ! 新ネバーエンディング・ストーリーが。終わりなき物語の完成だ!!」

 

 新作に悩む作家が叫んだ。

 

 嬉しそうにそれに目を通した出版社の人が、がっかりしてため息をついた。

 

「先生、これって駄作ですよ。だって物語の終わりに『冒頭に戻る』と書いただけじゃありませんか!」

 

 

 

 

                  おしまい

 

 

 

 

 

 

●このストーリーはユーチューブで動画化してあります。

 興味のある方はどうぞ


世界珍事件スペシャル