世界珍事件スペシャル
- 空飛ぶ○○○
何かが人々の前を浮遊しながら通り過ぎた… 異様なものだ。
どこかで見たことがある。すぐに通報が入って警察が出てきた。
パトカーがそれを追いかけると、それの正体が分かった。
入れ歯だ。それも総入れ歯。
大通りを入れ歯が飛んで行く。 総入れ歯が空中浮遊しているのだ。
人々が仰天して大騒ぎになった。 大事件か!
驚きのあまり、腰を抜かす者が出た。
そしたら入れ歯がしゃべった。
「いやあ、驚かせて、すまん、すまん。実はわしは透明人間なのじゃが、透明薬を飲む時に入れ歯を外すのを忘れておったんじゃ。すまんのう。最近、物忘れが酷くて……」
- 透明薬
老博士は長年の苦労の末、ついに透明薬を発明した。
これを飲めば誰でも透明になれるのだ。
老博士は公衆の面前でその透明薬の効果を証明しようと思った。
そして助手にこう言った。
「さあ君 透明薬の実験だ。私が透明になってみるから薬をとってくれたまえ」
助手が困った顔をして言った。
「博士、すいません。透明薬を入れた容器が透明になって、どこにあるのかわかりません」
「ついに書けたぞ! 新ネバーエンディング・ストーリーが。終わりなき物語の完成だ!!」
新作に悩む作家が叫んだ。
嬉しそうにそれに目を通した出版社の人が、がっかりしてため息をついた。
「先生、これって駄作ですよ。だって物語の終わりに『冒頭に戻る』と書いただけじゃありませんか!」
おしまい
●このストーリーはユーチューブで動画化してあります。
興味のある方はどうぞ