発狂した宇宙人

書き溜めた短編(S&S)をビヨンドで動画化のご紹介、短編(テキスト版)の掲載その他雑記などのブログです

2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

音楽には、だあれも敵わない

かのルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンは音楽こそ芸術の頂点だと言いました。 私はこの言葉に全く異論がありません。詩や小説、映画などは言葉を使う過程に於いて万人の心を捉えるというところで、言語の壁にぶつかるから、絵画や彫刻や音楽に比べるとハ…

ある実験

灰色の冬空に雪がちらついている。 正月の神社の境内に小学生の兄弟がいた。 兄が伸二で弟が浩二だ。赤いほっぺたをした浩二が元気いっぱいな声で言った。「にいちゃん。オレ父ちゃんにお守りもらったんだ。いいでしょ!」 伸二が興味本位の顔をして答えた。…

死について

私ももう高齢者の括りなので、死について重くならない程度に書いてみたいと思います。 まず、私たちは他人の死については五感で感じることが出来るのですが、自分の死については五感で感じる事が出来ない。 たとえ第六感が働いたとしてもそれは予感でしかな…

待つ女

夜更けである。その女は満月を背負うようにして立っていた。 その横顔は日本人形の様な上品さで、神秘ともいえる柔和な、それでいてどこか哀愁のある佇まいである。 風が吹いていた。その風が紺の留袖の裾を時々翻した。 女の目は何処までも続く丈高い塀を見…

我が心の師 フレドリックブラウン

フレドリックブラウン(1906~1972)は私の大好きな作家です。この人なくして S&Sは語れないと思います。 奇想天外なお話と予想外のオチ。そう言うものを書かせたらこの人の右に出るものはいないのではないでしょうか。 星新一も私は勿論大好きですが、星新一…

VYOND(ビヨンド)について

Vyond 編集画面 VYOND(ビヨンド)はクラウド型ビジネスアニメ制作ツールで、私はこれを6月中旬に代理店から購入しました。まあ購入したと言っても一年間の使用権を購入したのだから借りていると言ったほうが近いでしょう。 これを使ってみた私なりの感想など…

ありがとう神様

あるとき何の前触れもなく、北海道ほどもある巨大隕石が地球に降ってきた。俗にいうハルマゲドンだろうか。アブラハムの予言が的中したのか人類は絶滅した。 残念な事だが自然の脅威の前に人類はあまりにも非力であった。 黒雲が延々を大気に棚引き、有毒ガ…

真実について

真実というものは人を絶対的に傷つける。 真実とは太陽光線のようにまぶしくて直視できない。 これは中世の格言みたいなものですが、真実の核心に触れていると思います。 読者が、いや私でもいいのですが自分の欠点をズバリと突かれたらどんな気持ちになるで…

処刑

――外は淡い水色の雪景色だった。地上の濁った大気が天界で清められ、雪となって地面に降り注いでいた。刑務所の屋根が薄っすらと白んでいる。 丈高い塀には有刺鉄線が張り巡らされていた。刑の執行日であった。 神父が独房に入り囚人は最後のひとときを迎え…

珍説 蜘蛛の糸

――これはまだお釈迦様が天上界に赴任されたばかりの、新人であられた頃の物語です。 あるとき、お釈迦様は無性に退屈で、極楽の蓮池の周りをぶらぶらと歩いておられました。 そして天上界の景色をだいぶ長い間眺めておいででしたが、それにも飽きてしまわれ…

浅草の夢

江戸川乱歩 浅草ときくと自分はどうしても江戸川乱歩を連想してしまう。 乱歩という人は浅草と言う街を本当に愛していたらしい。浅草ゆえの東京住まいと随筆に書いていたと聞く。 自分が初めて乱歩の小説を読んだのは十五年ぐらい前の事で、『青銅の魔人』と…

一番怖い話

~ナイトファンタジア~ というネオン看板の架かったカフェに影法師達が集まっている。窓から覗く空はビロードに包まれ、その黒布をくり抜いたように満月がくっきりと浮かんでいた。 彼らは怪奇愛好クラブのメンバー達である。奇怪なものに興味を持ち、或い…

自己紹介です

初めまして 発狂した宇宙人にようこそ YouTubeチャンネルのタイトル画面です 初めまして。私はペンネーム松長良樹という昔から超短編小説を書くのが好きな高齢者のくくりに入る男性です。ブログを始めたのはもう十四~五年前で、最初は今はないヤフーブログ…